シンプル育児アドバイザーの石鍋てるみです。
先日、中学生が、
『私ってADHDかも』『アスペかもよ』なんて、
楽しそうに会話しているのを聞いて、
ちょっと驚いてしまいました。
詳細を正しく理解しているかは不明でしたが、
世界の有名人や芸能人がカミングアウトするなどで、
【発達障害】という言葉は、
日常的によく聞かれるようになりました。
発達障害自体が、ネガティブに捉えられるばかりでなく、
個性的、特別な才能があるなどという、
アクティブなイメージも含むように変わってきている気がします。
でも、実際は生活に苦労する子どもが多くいて、
周囲の理解が得られずに、傷ついている子どもが多いのが現状です。
発達障害は、生まれつき脳機能の発達の凸凹が大きいため、
周囲の環境や人間関係で社会生活上の支障が生じる障害のことです。
脳機能という身体の課題だけでなくて、
本人が過ごしにくいと感じる社会適応の課題が
大きい障害かと思います。
特にグレーゾーンの子どもは知的には高い子どもも多いので、
一見、何も困らない普通の子に見えてしまいます。
けれども、社会的に適応することに難しさがあるので、
非常識に見えたり、自分本位にみられたり、
ちょっと変な子と誤解されやすいのです。
脳機能の凸凹はその子の持って生まれたものです。
私たち一人ひとりが、知能指数、認知能力、感性などが
全く同じで生まれてくることはありません。
そして、自分はこの程度がいいといって
自由に選べる能力ではありません。
自然の中で、与えられた、
たった一つのオリジナルなものです。
その能力を、みんなと同じにすることが
大事な事ではないと思います。
発達障害児のサポートに重要なのは、
発達障害の特性(症状)を抑えることではなくて、
その特性による本人の過ごしずらさ、
社会適応しにくい部分をできる限り取り除く方法を
一緒に作っていくことだと思います。
今日のアドバイス
子どもの人格を否定しない。味方になり続ける。
発達障害のある子どもは、その障害の特性から、
独特な認知特性のために、個性的な反応や判断がおきてしまい、
場に合わない行動をとってしまいがちです。
そのため、人を傷つけてしまったり、
集団行動を乱してしまったりすることから、
どうしても、叱られてしまう、失敗してしまう経験が
多くなりがちです。
普通よりも、叱られること、注意を受ける事、
制限されること、強制されることが多くなります。
親から、行動を改善しようとする声かけではなくて、
『なんで、そんなこともできないの?』
『本当に駄目な子ね』
『バカじゃないの?何度言ったらわかるの!』と、
子どもの人格を否定するような、
言葉を言われている子どもを見かけます。
親としては、叱咤激励しているつもりかもしれません。
でも、そんな言葉の中で生活する子どもは、
自信を失い、前向きなやる気を失って、
エネルギーが内側に向く子は引きこもり、鬱へ、
外側に向く子は、周囲への攻撃的な態度、といった
二次障害につながる可能性を持ちます。
親だけは、絶対に、子どもの人格を傷つけてはいけません。
発達障害の子どもが、
絶対に陥らせてはいけない状況は二次障害です。
残念ですが、社会にでれば、
そんな辛い言葉を向けられてしまうこともあるでしょう。
でも、親だけはいつでも子どもの味方でいてほしいと思います。
親が子どもの味方でいられたかどうかの結果は、
子どもが一人で自立していこうという気持ちが芽生える
10歳前後から徐々に表れてきます。
親が子どもに対して与えた結果は、
必ず何かの形で親に返ってきます。
子どもが大きくなって、親の目が行き届かなくなってから、
関係性を修復するのは、並大抵の努力では解決できません。
子どもが小さい今のうちに、
しっかりと子どもの要求を受け止めて、
味方になることだけを考えて接してみてください。
そうすれば、子どもにかける言葉は、
子どもに寄り添ったものになると思います。
子どもの困ってるサインにも、
気がつくことができると思います。
子ども自身の、自分はできる、大丈夫という気持ちを
くじかないで育てられれば、
子どもは自分の力を発揮していくことができます。
乳幼児期こそが、チャンスです。
子どもを強く攻めてしまいそうな言葉をはきそうになったら、
その場から離れましょう。
夢中になりすぎない、育児も大事です。