石鍋てるみです。
先週あったりから、この辺りでも
夏風邪が増えてきています。
"子どもの三大夏風邪"と呼ばれたりもする
「手足口病」「ヘルパンギーナ」
「咽頭結膜熱(プール熱)」。
例年6月から8月にかけて流行がピークを迎えます。
今回は、「ヘルパンギーナ」の
診断を受けたお子さんがいたので
感染予防等について書かせていただきます。
ヘルパンギーナは大多数は
エンテロウイルス属の
A群コクサッキーウイルスの感染が原因です。
毎年5月頃から流行し始め、
6~7月がピークとなります。
ウイルスの型がいくつかあるので、
何度もかかってしまうことも
珍しくありません
年齢は4歳以下がほとんどで、
1歳代がもっとも多いです。
感染経路は接触感染を含む
糞口感染と飛沫感染で、
2~4日の潜伏期の後、
突然の39~40℃の高熱に続いて
咽頭の粘膜の発赤が目立つようになり、
上あごの粘膜やのどの奥に直径1~2mmほどの
小水疱が出現します。
コクサッキーウイルスは、
ノンエンベロープウイルスです。
アルコール消毒剤や熱に対する
抵抗力が高いという特徴があります。
一般的なアルコール消毒は
効果がありませんが
最近ではノンエンベロープ
ウイルスにも有効な新しい
「酸性アルコール消毒剤」が
開発されていますので
そちらを準備しておくと
いざという時に家族内感染予防に便利です。
原因がウイルスなので、特効薬はありません。
治療は免疫力で治るのを待つしかありません。
喉の痛みなどから水分摂取が低下し、
脱水を引き起こさない様に
こまめに水分を摂取したり、
症状を和らげる解熱剤などを使用しながら
症状の軽快を待ちます。
ヘルパンギーナは
学校で予防すべき伝染病に含まれていません。
登校・登園は本人の状態によって
判断すればよいと考えられます。
実は急性期だけ登校・登園停止を行っても
流行阻止の効果はあまり期待ができないのです。
その理由は症状が回復してからも
ウイルスは口(呼吸器)から1〜2週間、
便から2〜4週間にわたって
ウイルスが排出されることがあるからです。
ヘルパンギーナは、くしゃみなどの際に出る
飛沫によって感染する「飛沫感染」と、
舐めて唾液や鼻水がついた
おもちゃの貸し借りなど、
手が触れることで感染する
「接触感染」が主な感染経路です。
潜伏期も含め症状がないお子さんであっても
ウイルスを持っていると仮定して
おもちゃや排泄物の扱い、
手洗いなどの感染対策は
行い続けることが原則になります。
病児でなくて、元気なお子さんであっても
いろんな感染症のウイルス、細菌などは
保有していると仮定して
保育室の環境整備は継続して行うのは
こういった理由からです。
感染していても
発症していないお子さんはいます。
感染しても発症しない免疫力の高さが
集団生活をする上では
個人でできる
最も大事な感染予防対策になるのです。
そのために、しっかりと睡眠をとること
栄養を摂ること、手洗いは必須事項です。
これは、まとめてやっておくこと、
後から補うことはできません。
毎日、その都度しっかりやり続けることで
免疫力は維持されます。
夏風邪に負けない身体作りを
今日から始めましょう。